IPL(Intense Pulsed Light)治療は、継続が必要な点眼治療とは異なり、世界で唯一の根治的な治療を行うことができます。
その名の通り、特殊なlight(光)をあてることでマイボーム腺の詰まり(下図参照)を解消し、炎症を改善、涙の油層を正常化しドライアイを改善することができます。IPL治療のドライアイに対する良好な効果について、国内外の学会や論文で続々と報告されています。
IPL治療の効果
脂が足りなくなる最も大きな原因はマイボーム腺機能不全です。眼の器官の一部であるマイボーム腺には、涙に必要な脂分を分泌する働きがありますが、そのマイボーム腺が汚れや炎症のために詰まってしまうことがあります。この状態がマイボーム腺機能不全です。そうなると、涙に必要な脂分が十分に分泌されず、涙の成分バランスが悪くなります。その結果、眼に十分な潤いを保つことが難しくなり、目の乾きや痛みなどのドライアイ症状に繋がるのです。マイボーム腺の詰まりを、IPLと呼ばれるマイルドな光を照射することで除去し、炎症を抑え、適切な涙液の流れを整えるための新たな治療法として開発されたのがIPLドライアイ治療です。
ルミナス社製 M22 IPLシステムを導入
高山眼科では、マイボーム腺機能不全の治療としてルミナス社製の最新機種であるM22を用いたIPL治療を導入しました。
IPLとはWhite Lightの1つでアークランプを応用したテクノロジーです。アークランプから発した光が直接またはリフレクターで集光され、特殊フィルターを介することにより特に皮膚に紫外線領域の光をカットし、可視および近赤外線領域の広いスペクトルをもちます。この光をトリートメントヘッド先端から患部へ照射します。照射光は熱エネルギーに変換され皮膚内部に温熱効果をもたらします。
ドライアイIPL治療の流れ
1
カウンセリング
IPL治療が適しているか、診察・検査で確認します。尚、下記の事項に該当する患者さんは治療の適応について医師と問診をさせていただきます。
- 最近強い日焼けをされていた方
- 照射部位に原因不明の皮膚病変がある場合
- てんかん発作の既往がある方
- 妊娠・授乳中の方
- 刺青の上の施術を希望される方(刺青が薄くなる可能性がある)
- スキンタイプⅣの方
- 照射部位に切り傷・炎症・その他治療中の皮膚変病がある
- 光感受性を高める薬を内服または外用している方や日光アレルギー・光過敏症の既往がある方
適応がある場合、治療について詳しくご説明します。
患者さんに同意をいただけた場合、治療の予約をお取りします。
2
治療の準備
- 事前に眼周辺の剃毛をお願いすることがあります。
- 当日はメイクせずに来院してください。
3
IPL照射
- 眼周辺にほくろがあれば、パッチシールでカバーします。
- 眼球を守る専用のアイマスクをつけ、顔に密着させます。
- 照射部位(まぶた)に専用のジェルを塗ります。
- こめかみ→まぶた→鼻へかけてIPLを照射します。
- ジェルを拭き取り、眼周辺を洗浄して治療終了です。
- 帰宅時は、持参していただいた日焼け止めを塗って帰宅となります。
ドライアイIPL治療後のご注意
- 治療後は肌に赤みを生じやすくなりますが、通常、2~3時間で落ち着くことが多いです。
- 皮膚がデリケートな方は、まれに浅達性熱傷によるヒリヒリ感や強めの赤みを生じることもあります。
- 治療後2週間、紫外線に当たる時は日焼け止めを塗ってください。
- 洗顔、メイク、入浴等は通常通り行っていただいて問題ありません。
ドライアイIPL治療の費用
- 4回を1クールとし、マイボーム線の機能の改善を目指しますが、その効果は患者さんによって異なります。
- 施術の際、一時的にゴムではじかれるような痛みや、ひりひりした痛みなどを感じることがあります。
- 稀に照射した部位に赤みやかさぶた、もしくは水ぶくれなどができ、治るまでに5~10日かかる場合があります。
- お気づきの症状がございましたら、すみやかにご相談ください。
よくある質問
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ドライアイの症状があれば、効果はありますか?
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マイボーム腺機能不全のドライアイに対して、IPL治療は効果があります。ドライアイの原因として涙の油層が不足していることが原因となっています。涙の量が減少する涙液分泌減少型のドライアイでは効果が薄くなります。
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IPL治療は何回くらい必要ですか?
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3~4週間おきに4回の治療を行うことが推奨されています。初回の治療から良好な効果を認められた症例や、7~8回目で大幅な改善が認められた症例なども報告されています。
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痛みはありませんか?
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個人差がありますが、輪ゴムで軽くはじかれる程度の痛みです。
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副作用はありませんか?
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治療後、照射部分に肌の赤みを生じることがありますが、通常2~3時間で落ち着きます。肌がデリケートな方は、まれにごく軽い火傷のようなヒリヒリ感や肌の赤みが強く出ることもあります。その他の副作用については報告されていません。
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誰でもIPL治療を受けられますか?
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高校生以上の方は施術が可能です。ただし、事前の検査と診察で、適応があると診断された方が治療対象となります。なお、妊娠中の方は安全性が確かめられていないため、施術は行っておりません。
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メイクを落とさないといけないのはなぜですか?
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安全かつ効果的にIPLをマイボーム腺の深層部まで到達させるために、メイクや基礎化粧品を落としてから治療を受ける必要があります。また治療後は、紫外線対策が必要ですので日焼け止めを塗ってからご帰宅ください。なお、施術後はメイクも可能です。
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施術後もドライアイ点眼の継続は必要ですか?
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ドライアイ点眼や温罨法(目を温める)を継続することで症状の改善がよりスムーズになります。
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予約なしで治療出来ますか?
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IPL治療には、事前の検査・診察が必要になりますので、当院では完全予約制で行っています。ご希望の患者さんは、予約をしてご来院くださいますようにお願い致します。
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当日持参するものはありますか?
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日焼け止めクリームをご持参ください。施術後、紫外線対策で日焼け止めクリームを塗っていただきます。なお、施術後はメイクも可能です。
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IPL治療とは、美容の施術ではないのですか?
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ルミナス社M22のIPLシステムを使用して美容皮膚科などで行われている施術は『フォトフェイシャル 』と呼ばれています。ドライアイ治療で使用するIPLとは異なる波長のIPLを使用することで、シミ・そばかす・ニキビ跡・顔のハリ・しわなどのエイジングケアにも効果的です。当院でも、M22のカートリッジを交換することで、フォトフェイシャル の施術を行うことができます。ご興味がある患者さんやご希望の患者さんは、お気軽にご相談・お問合せくださいませ。